新型コロナウイルスに関するお知らせ
臨床研究に関する情報公開
- 受付番号
-
561
- 研究課題名
-
Triple Whammy による薬剤性腎障害の評価
- 当院研究責任者
-
薬剤部 病棟薬剤課長 下石 和樹
- 研究分担診療科
-
薬剤部
- 研究機関名
-
熊本赤十字病院
- 研究期間
-
2023 年 6 月 1 日〜2023 年 12 月 31 日
- 研究目的と意義
-
NSAIDs は血管拡張物質である PG の合成阻害により輸入細動脈を収縮させ、腎血流の低下
により GFR の低下をもたらし、腎前性 AKI を引き起こすことが知られている。さらに、最近で
は RAS 阻害薬、利尿薬との 3 剤併用による急性腎障害のリスクが複数報告されている。これ
らの 3 剤併用療法は、「Triple Whammy(三段攻撃):TW」と呼ばれ、高齢者の医薬品適正使用
の指針や CKD 診療ガイドライン 2018 でも可能な限り併用を避けるよう注意喚起されている。
一方で、高齢者や腎機能障害患者に対して、NSAIDs の使用を控え、アセトアミノフェン製剤
の使用を推奨する報告は数多く見られるが、NSAIDs からアセトアミノフェンへの変更が TW に
よる腎機能障害回避につながったという報告は少ない。そこで本研究では、TW による腎機能
障害がアセトアミノフェンで回避できるかを調査する。
- 研究方法
-
2018 年 1 月から 2022 年 6 月の間に TW が併用開始となった TW 患者 39 名、また NSAIDs
の代わりにアセトアミノフェン製剤が選択された AcA 患者 72 名を対象とする。対象患者の基
本情報(年齢、性別、体重)、eGFR、使用薬剤の種類と処方用量については電子カルテを用
いて情報を収集し、腎機能別に 3 群(A 群:eGFR<30、B 群:30≦eGFR<60、C 群:60≦eGFR)
に分け、併用開始後の eGFR の推移について後方視的に調査する。