熊本赤十字病院

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けいれん重積型(二相性)急性脳症の治療と予後に関する研究

  • 承認日 | 2023.06.2
受付番号
563
研究課題名
けいれん重積型(二相性)急性脳症の治療と予後に関する研究
当院研究責任者
平井 克樹
研究分担診療科
小児科
研究機関名
熊本赤十字病院
研究期間
2023年6月2日~2024年3月31日
研究目的と意義
けいれん重積型(二相性)急性脳症(acute encephalopathy with biphasic seizures and late reduced diffusion[AESD]は、二相性の臨床経過とMRIでの遅発性の拡散能低下(bright tree appearance[BTA])が特徴であり、日本の小児急性脳症の中で最も頻度が高いです(34%)。AESDの報告は2000年頃から始まるが、20年以上過ぎた現在になっても、AESDに対する特異的な治療法が確立されていないことは、診療上最大の課題であり、その理由は、対象患児、治療内容、治療開始時期を統一した研究が無いからです。
当院は2006年6月以降、急性脳症に対しては臨床経過、およびMRI、脳波を施行し、AESDの診断を確実にし、前もって定めた治療介入基準下に、特殊治療を施行し、全身管理を徹底した上、特殊治療を重ねるという治療プロトコールを続けてきています。
今回、我々は2006年度以降の当院の急性脳症に対する、対象患児、治療内容、開始時期を揃えた治療に対する予後を明らかにし、急性脳症治療に新しい知見をもたらしたいと考えています。
研究方法
●対象となる患者
2006年6月1日~2022年3月31日の間に当科に入院した15歳未満の小児で急性脳症の診断がついた患者
●方法
罹患6か月後、および就学時のPCPC(Pediatric Crerebral Performance Category Scale)と罹患6か月後、12か月後、就学時の脳症後てんかん罹患頻度を評価し、各治療群に分類し、統計解析を行います。生体試料は用いず、治療時、経過観察時の電子カルテ上の情報を集積します。対象期間の罹患6か月後、就学時の予後(PCPC(Pediatric Crerebral Performance Category Scale)という基準を用います)と、罹患6か月後、12か月後、就学時の脳症後てんかん罹患頻度を評価項目とします。
●利用するカルテ情報
年齢、性別、基礎疾患の有無、画像データ(頭部MRI)、脳波所見、PCPC、脳症後てんかん罹患頻度、急性脳症の原因ウイルス(あるいは関連する原因疾患)、初回の痙攣時間(群発などの形態含む)、多田スコア(発症12~24時間の意識レベル、年齢、けいれん時間、挿管の有無、AST、血糖、クレアチニン)、PIM2スコアリングによる予測死亡率、特殊治療開始日の病日、GCS)
●他機関へ提供する方法
該当しません。