熊本赤十字病院

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血液培養迅速同定法の導入が抗菌薬使用状況と TDM 実施に及ぼす影響

  • 承認日 | 2023.08.30
受付番号
580
研究課題名
血液培養迅速同定法の導入が抗菌薬使用状況と TDM 実施に及ぼす影響
当院研究責任者
薬剤部 薬剤主任 古庄 弘和
研究分担診療科
薬剤部
研究機関名
熊本赤十字病院
研究期間
2023年8月30日~2024年3月31日
研究目的と意義
近年、質量分析装置などの技術発展により菌種同定までの時間が短縮され治療成功に繋がる事例が報告されているが、抗菌薬使用状況に及ぼす影響に関する報告は少ない。熊本赤十字病院では2022年4月より、血液培養迅速同定法を導入し、血液培養陽性日にグラム染色結果に加えて、迅速同定法による結果を同日中に報告する運用を開始した。これにより従来と比べて、耐性遺伝子の有無や菌種のより詳細な情報が約2日間早く判明する。本研究では、血液培養迅速同定法導入による抗菌薬使用状況への影響について調査する。
研究方法
●研究対象者
2019年4月から2023年3月の期間に血液培養検査にて陽性が報告された患者
(血液培養グラム染色で菌種を認めたが最終培養が陰性となった患者を除く)

●方法
迅速同定法導入前後の抗菌薬使用量の推移、AST(Antimicrobial Stewardship Team:抗菌薬適正使用支援チーム)介入件数、抗菌薬de-escalation(※1)までの日数、TDM(※2)実施状況について電子カルテを用いて後方視的に調査する。
対象患者を迅速同定法が実施された群と未実施群に分けて下記の項目を評価する。
(※1):抗菌スペクトラムの狭域化(広域抗菌薬から狭域抗菌薬へ薬剤変更すること)
(※2):Therapeutic Drug Monitoring(薬物治療モニタリング)
【評価項目】
2019年4月から2023年3月までの期間のAUD(Antimicrobial Use Density:抗菌薬使用密度)、DOT(Days Of Therapy:抗菌薬使用日数)
迅速同定法導入前後の抗菌薬使用量の推移、AST介入件数、抗菌薬de-escalationまでの日数、TDM実施状況

●利用するカルテ情報
患者基本情報(年齢、性別、病歴)、生化学検査、抗MRSA薬の血中濃度、細菌培養検査、薬剤処方歴、AST介入件数

●他機関へ提供する方法
他機関への提供はありません。