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  頭痛のために寝込んだり、仕事ができなくなったりするなどQOL(生活の質)が低下する人や、月に10日以上鎮痛剤を飲んで薬から手が離せないような人は、専門的なアプローチで頭痛と向き合う必要があります。

  熊本赤十字病院では、頭痛に対して専門的な診察を行うことを目標として「頭痛外来」を開設しています。



●代表的な頭痛

片頭痛

 
 


  片頭痛は若い女性に多く、頭の片側もしくは両側が脈打つように「ズキンズキン」とする発作性の頭痛で、多くの場合吐き気を伴います。強いストレスやストレスから開放されたとき(週末や休みの日)、月経、空腹、睡眠不足、睡眠過多、飲酒、匂い、特定の食品が誘因になると考えられています。月に数回、数時間から数日間頭痛が持続します。最も有力視されている原因は、「三叉神経血管説」です。

緊張型頭痛

 慢性的な頭痛で最も多いのがこのタイプです。この頭痛は毎日のように起こりますが、痛みは軽度から中等度なので、日常生活にあまり支障はありません。疲れがでる午後から夕方にかけて、頭が締め付けられる頭痛が起こり、首や肩が凝るのが特徴です。ストレス(心配事や不安感など)や疲れ、同じ姿勢の継続(デスクワーク、同じ作業)などで頭の周囲の筋肉が緊張し、血流が悪くなり老廃物が溜まることで痛みを誘発すると考えられています。

薬物乱用頭痛

 最近増加傾向にあり、また「頭痛外来」に紹介が多いのが、このタイプです。頭痛が起こったときに、市販の鎮痛剤を服用する人は多いと思われます。頓服で効いていれば頭痛は治まりますが、切れてくると再び頭痛が起こり、我慢できずにまた鎮痛剤を内服する。これを繰り返していると、初めは月に数回の鎮痛剤の内服が徐々に増え、ひどい場合にはほぼ毎日、1日3回も鎮痛剤を飲んでいる状況に陥ってしまいます。鎮痛剤を飲み過ぎると痛みに敏感になり、薬の効果もなくなってくる。しかし飲まないと不安で仕方がないため、薬に依存してしまう。これが薬物乱用頭痛です。月に10日以上鎮痛剤を3ヶ月以上内服している場合には、この頭痛の診断となります。

●ピットフォール 〈見逃してはいけない頭痛〉

 症例提示:70代女性。元々頭痛持ちであった。4日ほど前に突然の頭痛あり。激しい頭痛であったが、その後の痛みは今までの頭痛と同じ痛さであったため、病院は受診していない。吐き気が出現してきたため、当院救急外来を独歩受診。本人の訴えは「頭痛と吐き気があって、体がだるく熱っぽい」で、明らかな神経症状は認めなかった。一見風邪様の訴えだが、詳しく病歴を聞くと、「突然の激しい頭痛」であった。くも膜下出血を否定するために、頭部CTを行ったが、画像上明らかなくも膜下出血は認めなかった(図1)。しかし、くも膜下出血を完全に否定するために、腰椎穿刺を行ったところ、血清髄液を確認し(図2)、さらに遠心するとキサントクロミーが確認された(図3)。引き続き3D-CTアンギオを行ったところ、前交通動脈瘤を認めた。この患者に同日開頭クリッピングが行われ、神経症状なく無事自宅退院できた。

 くも膜下出血は絶対見逃してはならない二次性頭痛の一つで、見逃すと訴訟になり負けることがあります。特に重要なのは病歴で、突然発症した(その瞬間がはっきりしているということ)頭痛の場合はまず、くも膜下出血を疑わなければなりません。患者さんが訴えなくても、頭痛の発症形式、頭痛の強度はきちんと問診すべきです。数日経過したくも膜下出血は、頭部CTで検出できないことも多く(髄液の還流で出血が洗い流されるため)、本症例のように頭部CTでは正常所見となることがあります。
確実にくも膜下出血を否定することが重要です。

 
 
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