診療科・部門案内

脳神経外科

くも膜下出血について

くも膜下出血は致死率と後遺症率の非常に高い難治性の疾患です。前触れがない場合が多く、突然今まで経験したことのない頭痛や意識消失で発症します。時には、「風邪」を引いたあとの頭重感を訴える方もいます。
可能な限り手術を行って救命することを行いますが、重症例では手術ができずに亡くなる方が約30%程度います。治療は開頭クリッピング術や血管内治療がありますが、当院では根治可能な開頭術を第一選択としています。手術後は脳血管攣縮による合併症が起こりますが、脳血管攣縮が発症しないように内服や点滴で治療を行なっています。
平均入院期間は約3週間程度で、当院から26%程度の方が直接自宅退院できています。約68%の方がリハビリ転院を必要としますが、その多くはリハビリ後自宅退院できています。最終的には、当院で治療したくも膜下出血の方の約73%が自宅で生活されています。
典型的なくも膜下出血は、激しい頭痛で発症しますので、そのような症状が突然出現したら、医療機関を受診してください。当院救急外来も受診可能です。

くも膜下出血のCT画像

くも膜下出血のCT画像

未破裂脳動脈瘤について

近年、脳ドッグやMRIの普及によって未破裂脳動脈瘤が見つかりやすくなってきました。未破裂脳動脈瘤は将来破裂する危険性があり、破裂すると上記「くも膜下出血」になりますので、破裂前に破裂予防の手術を行うことがあります。
日本脳ドッグ学会の手術適応基準は、70歳以下、健康、動脈瘤の大きさが5mm以上、となっています。
当院でもその基準を踏襲していますが、破裂すると致死的になりえますので、発見された段階で本人や家族と十分話合いを行った上で、70歳以上や動脈瘤の大きさが3mm程度でも手術に踏み切ることがあります。
手術は根治性・安全性・確実性を目指してMEPモニタリング・ICG造影下での開頭クリッピング術を行います。入院期間は約14日程度で、無剃毛手術を行っていますので退院後に整容を気にする必要がありません。手術にあたり、手術の合併症を理解して承諾頂く必要があります。
重篤な合併症は5-10%程度、死亡する可能性は1%未満とされていますが、当院では2.1%の方に3ヶ月後に障害が残っていますが、皆自宅で十分な生活を送っています。死亡例はありませんでした。これらの成績は全国のトップレベルの施設と比べても遜色ない結果です。
不幸にも未破裂脳動脈瘤が見つかった場合は、当院に一度相談に来てください。皆さんが不安のない有意義な生活を送れるように時間をかけて話合い、完治を目指したいと考えています。

未破裂脳動脈瘤クリップ前

未破裂脳動脈瘤クリップ前

未破裂脳動脈瘤クリップ後

未破裂脳動脈瘤クリップ後

脳出血

脳内部の細小動脈が破れて出血し、脳の中に血腫(血のかたまり)ができる状態です。 高血圧が主な原因となります。脳動静脈奇形や硬膜動静脈瘻など、異常血管が破れたりやアミロイド血管炎によっても起こったりします。
症状は出血の部位により多種多様ですが、意識障害や片麻痺、失語症などが認められます。治療には全身管理と血圧の管理をまず厳重に行い、症状、生命予後、機能予後、年齢、血腫量などを考慮して手術適応を決定します。主な手術方法は開頭血腫除去術で、多量の脳内血腫に対して頭を開けて血腫を除去した方が経過が良い、または除去しなければ生命に危険が及ぶなどの場合に迅速に行います。

高血圧性脳内出血(左被殻)のCT画像

高血圧性脳内出血(左被殻)のCT画像

脳皮質下出血のCT画像

脳皮質下出血のCT画像

脳動静脈奇形が原因の脳皮質下出血だった。

脳動静脈奇形が原因の脳皮質下出血だった。

内頚動脈狭窄症

動脈硬化は加齢と共に増加し、脳虚血のみならず、狭心症、心筋梗塞、不整脈、腎障害、末梢動脈閉塞の原因となります。
内頚動脈狭窄症は、脳に血液を送る内頚動脈が硬化し、狭くなっている状態です。これにより脳梗塞が発生しやすくなります。
内服加療が基本ですが、狭窄率が70%を超えた場合や脳梗塞を起こした患者さんに手術を行っています。
主な手術方法は、頚動脈内膜剝離術(頚部を切開し厚くなった頚動脈の内膜を剥離切除する)、頚動脈ステント留置術(部分麻酔下で血管内治療)があり、全身状態、年齢、病態、患者さんや家族の希望に応じて行っています。

頚動脈内膜剝離術(動脈硬化巣の除去)

頚動脈内膜剝離術(動脈硬化巣の除去)

頚動脈狭窄ステント留置前

頚動脈狭窄ステント留置前

頚動脈ステント留置後

頚動脈ステント留置後

頭部外傷

頭部外傷は赤ちゃんからお年寄りまで、交通事故や転落・スポーツなど身近なところで起こります。
かすり傷から命の危険を伴う重症まで様々であり、緊急の対応が必要なことがあります。頭皮の切り傷やたんこぶ(皮下血腫)がひどくても頭の中はどうもないこともあれば、見た目がどうもなくても頭の中に出血していることもあります。
脳は周りを頭蓋骨で囲まれ保護されていますが、頭に強い力がかかると傷ついてしまいます(一次脳損傷)。傷ついた脳は、出血や腫れを起こし、頭蓋骨で逃げ場のない周囲の脳に傷を広げてしまいます(二次脳損傷)。頭部外傷の治療は、この二次脳損傷をいかに防ぐかが重要です。
当科では頭部外傷に伴う頭の中の出血(特に急性硬膜下血腫)に対して緊急開頭手術のみならず、熊本県で唯一救急外来での緊急穿頭術を行い、迅速に救命・神経機能の温存、予後の改善を目指しています。
代表的な神経外傷には、頭蓋骨骨折、急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、脳震盪、脳挫傷、びまん性軸索損傷などがあります。
頭はおおまかに外側から頭皮、頭蓋骨、硬膜(脳を包んでいる最も外側の膜)、脳という構造をしています。頭蓋骨骨折などにより硬膜の血管が傷ついて硬膜の外側に血が溜まるのが急性硬膜外血腫、脳表の静脈などが傷ついて出血し硬膜の内側に血が溜まるのが急性硬膜下血腫、脳そのものに傷がついたものが脳挫傷やびまん性軸索損傷となります。神経症状や頭部CT/MRIなどから的確な診断を行い、迅速かつ適切な治療を行っています。
また当施設は全国29施設で組織された日本神経外傷学会・頭部外傷データバンク検討委員会の一員であり、全国規模での重症頭部外傷の病態や治療方法の調査・検討に取り組んでいます。

急性硬膜下血腫のCT画像

急性硬膜下血腫のCT画像

頭蓋骨粉砕骨折の3D-CT画像

頭蓋骨粉砕骨折の3D-CT画像

慢性硬膜下血腫

頭を打った後、3週間から2ヶ月後に脳と骨の内側(くも膜と硬膜の間)に血液が貯留して、脳を圧迫して様々な症状を引き起こします。脳神経外科の分野では頻繁に経験する一般的な疾患ですが、なぜ時間をかけて血液が溜まってくるのか、正確にはよく分かっていません。
外傷による血管の損傷や、外傷後の血液の異常、脳を包む膜の断裂などの可能性が指摘されています。受傷から発症までの時間が長いこともあり、はっきりした外傷のエピソードがない方も1-2割ほどいらっしゃいます。
中高年から高齢者年者に多く、年齢が高くなるほど発生頻度が高くなります。アルコール多飲、脳萎縮、血液疾患、肝疾患などがあると発症のリスクが上がります。また脳梗塞や心筋梗塞をされた方で、血液をさらさらにする薬を内服している方も発症のリスクが上がります。
症状は患者さんによって様々ですが、頭痛、記憶障害、活気がない、認知症のような症状、手足の動きが悪い、歩行障害、尿失禁などです。認知症やうつ病などと似ている症状もありますが、いずれも慢性硬膜下血腫による症状であれば、治療をすることで改善する可能性があります。
血腫が少なく、症状がない場合は自然に改善することもあります。止血剤や、血腫の縮小を促す漢方の薬による治療を行う事もあります。しかし基本的には手術を行います。手術は局所麻酔で頭蓋骨に小さな穴をあけ、そこからチューブを入れて中の血液を外に出します。手術は15-30分程度で終了し、多くの方は5日以内に自宅に退院できます。

慢性硬膜下血腫のCT画像

慢性硬膜下血腫のCT画像

術後血腫は消失

術後血腫は消失

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