診療科・部門案内

腹腔鏡下広汎子宮全摘術について

1.子宮頸癌に対する手術:開腹手術と腹腔鏡下手術

(日本産科婦人科学会ホームページより)

子宮頸癌の主な治療は、手術療法と放射線治療です。手術療法では、進行期などにより①円錐切除術、②単純子宮全摘出術、③広汎子宮全摘術(+骨盤リンパ節郭清術)などが選択されます。

日本のほとんどの病院では、上記②③手術は開腹術で行われています。一方、近年の技術・機器の進歩とともに、数か所の5-12mmの小切開で行う、体への侵襲の少ない腹腔鏡下手術が増加しており、婦人科領域において腹腔鏡下手術は子宮筋腫や卵巣嚢腫などの良性疾患に対しては比較的早くから保険適用されています。

当院においても多くの腹腔鏡下手術を行っており、術後疼痛の軽減・術中出血量の減少・入院期間の短縮・早期社会復帰などの効果が考えられます。婦人科領域の悪性疾患に対して現時点では子宮体癌しか保険適用が認められていませんが、子宮頸癌に対する手術でも腹腔鏡下手術の利点が期待されています。2014年12月から先進医療として腹腔鏡下広汎子宮全摘術を実施しており、2018年4月から保険適用となりました。

この手術は、海外などの報告によると、手術の成功率や術後診断の正確さ・予後についても開腹手術に劣らないとされています。そのため、日本でも先進医療として普及すれば保険適用となることが期待されます。

2.腹腔鏡下広汎子宮全摘術の方法

早期の子宮頸癌(進行期 IA2, IB1, IIA1期)に対して腹腔鏡下に広汎子宮全摘術+両側付属器摘出術、骨盤リンパ節郭清術を行います。広汎子宮全摘術は、がんから十分なマージンを持って子宮を摘出するために、周囲の血管や靭帯などの組織を含め広い範囲で切除する術式です。同時に骨盤内のリンパ節の郭清(摘出)も行います。

手術方法は、まず臍に筒(10mm)を挿入し、そこから送気装置を使って腹腔内に炭酸ガスを送り、手術に必要な操作空間や視野の確保を行います。腹腔鏡を挿入して腹腔内を観察し、腹壁から腹腔鏡下手術用の細い筒(5-12mm)数本を挿入して、その筒を通して細長い道具類(さまざまな種類の鉗子、電気メス、超音波メス、吸引洗浄管など)を挿入し手術を行います。

子宮やリンパ節は、腟または筒から回収します。
ただし、術中において開腹が必要と判断された場合は、直ちに従来通りの開腹手術など必要な術式に変更します
手術時間は5-7時間。入院期間は2週間程度です。通常は退院後2-3週間で社会復帰が可能です。

<子宮頸がんの進行期分類(新FIGO進行期分類2009年)>
I期 がんが子宮頸部にとどまっているもの(子宮体部への浸潤の有無は考慮しない)
IA 肉眼的には見えないがん。間質浸潤の深さが5mm以内で、縦軸方向への広がりが7mmを超えないもの

IA1

深さが3mm以内で、広がりが7mmを超えないのもの

IA2

深さが3mmを超えるが5mm以内で、広がりが7mmを超えないもの
IB 肉眼的に見えるがん

IB1

病巣が4cm以内のもの

IIA2

病巣が4cmを超えるもの
II期 がんが子宮頸部を超えて広がっているが、膣壁の下1/3または骨盤壁には達していないもの
IIA 膣壁に浸潤しているが、子宮傍組織には浸潤していないもの

IIA1

病巣が4cm以内のもの

IIA2

病巣が4cmを超えるもの
IIB 子宮傍組織に浸潤しているもの
III期 がんの浸潤が膣壁の下1/3に達するもの、または骨盤壁に達するもの
IIIA 膣壁の浸潤は下1/3に達しているが、子宮傍組織の浸潤が骨盤壁には達していないもの
IIIB 子宮傍組織の浸潤が骨盤壁に達しているもの
IV期 がんが膀胱や直腸の粘膜を侵すか、小骨盤腔(恥骨と仙骨の間の空間)を超えて広がっているもの
IVA 膀胱や直腸の粘膜に浸潤しているもの
IVB 小骨盤腔を超えて広がっているもの
クリックして拡大
ご利用案内

外来受付時間(月〜金)8:30〜11:30 ※再来受付機は8:00〜 ※土・日・祝は休診日

  • 救急受診について

面会時間 (月〜金)14:00〜20:00 (土・日・祝)10:00〜20:00

  • 外来受診のご案内
  • 入院のご案内
  • 診療科・部門案内
  • フロアマップ
  • 交通アクセス
  • 医療・福祉相談
  • よくあるご質問