形成外科
窓口 / 内線 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
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窓口:7 内線:6170・6171 |
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※形成外科外来についてはすべての曜日、紹介・予約患者のみ受付を行っております。
診療科の紹介
形成外科は外科系診療科の中の一専門分野です。
一般に「外科系診療科」は、以下を目的に、手術的治療を行います。
- 生命を救うこと(救命)
- 痛みを除去すること(除痛)
- 機能を回復すること(機能回復)
- 社会生活の質(QOL:quality of life)を向上させること
この中で、形成外科は主として、機能回復とQOLの向上を目的とする専門外科です。
形成外科には大別して二つの専門領域があります。一つは、外傷、組織の異常、変形や欠損などの「疾患」を治療対象とする「再建外科」であり、もう一つは、疾患とは言えませんが、ご自身が大変気にしている、微妙な形状を治療対象とする「美容外科」です。
再建外科は「生まれつきの、またはけがや癌などで変形したり失われた体の表面や骨の異常を、機能の回復のみならず形も正常に近い状態に再建し、QOLの向上に貢献する」専門領域です。
また、「美容外科」は、客観的には病気と認められない細微な形態変化を外科的に修復して、生活の満足度を向上させる専門分野と言えます。
当院は、形成外科疾患全般を治療対象としていますが、その中でも顔面骨骨折や顔面挫創の顔面外傷については、受傷初期の段階より救急部などの他科と連携をしながら形成外科が介入し、より高度な治療として、機能的回復・形態的回復・醜形を残さないような治療を行っています。これによって顔面外傷の、より高い治療成績の向上を図っています。
また顔面のみならず、小児の腫瘍・先天異常など、整容的にも特に配慮が必要な疾患についても、積極的に扱っています。
今後も、急性期病院としてのより高度な外傷疾患や、更なる症例数の増加に対応すべく、形成外科としての充実を目指しています。
主な疾患
- 外傷
- 顔面外傷(頬骨骨折、鼻骨骨折、上下顎骨骨折などの顔面骨骨折、顔面などの醜状瘢痕)
熱傷(新鮮熱傷、熱傷後の瘢痕拘縮)
手指などの外傷、褥瘡(床ずれ)
- 唇裂・口蓋裂
- 先天異常
- 手足の先天異常(多指症、合指症)
でべそ(臍ヘルニア)
陥没乳頭 など
- 腫瘍
- 良性腫瘍(母斑(イボ・ホクロ)、血管腫、脂肪腫など)
皮膚悪性腫瘍の切除再建術
血管腫、赤あざ、皮膚良性血管病変治療用レーザー装置VビームⅡ
皮膚の赤みは、皮膚や皮膚の下にある血管が拡張することで血管の中の赤血球が浮き出て見えるもので、「血管腫」と呼ばれ、「血管腫」には生まれつきの「単純性血管腫」と生後間もなくできて急激に大きくなり、その後少しずつ小さくなっていく「イチゴ状血管腫」があります。これらの赤みに対しては、レーザー光線による治療が一般的で、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい波長のレーザー光線を照射することで、赤血球に光エネルギーが吸収されます。皮膚への影響はほとんどありません。
単純性血管腫
当院では、2018年4月に新しくレーザー治療装置V beamⅡを導入し、これら良性の血管腫に対する治療を行っています。単純性血管腫、いちご状血管腫、海綿状血管腫、毛細血管拡張症については、健康保険適用です。
- 瘢痕、瘢痕拘縮、肥厚性瘢痕、ケロイド
デュピュイトラン拘縮の注射治療
デュピュイトラン拘縮とは、原因不明で手のひらから指にかけてしこりができ、病気の進行に伴って皮膚がひきつれて、徐々に指が伸ばしにくくなる病気です。
治療法としては、以前から手術が主に行われていましたが、最近しこりを溶かすコラゲナーゼという薬剤を注射することで、手術を行わずに治療できるようになりました。
当院形成外科では、この治療を行っています。治療には保険が適用されますが、日本手外科学会認定専門医かつ特定の講習を受けた医師のみに治療が許可されているもので、当院では形成外科の黒川医師が行っています。
実際の治療では、しこりの部分に注射を行って1日間安静にし、翌日に指を伸展させる処置を行います。伸展処置を行うと、溶けたしこりが切れて指を伸ばすことができるようになります。この処置を行う時には少し痛みが生じるため、局所麻酔を行い、処置後は後療法として運動療法を行っていただきます。
手のひらにしこりができ、
薬指が伸ばしにくい状態
- 褥瘡、難治性潰瘍
- その他
- CO2レーザー:皮膚腫瘍・イボなどの治療に使用しています
※今のところ、美容の分野は当院では扱っておりません。
ボトックス治療
以前から形成外科では眼瞼けいれん、顔面けいれんの治療として、ボツリヌス菌毒素であるボトックス治療を行ってきました。
眼瞼けいれんや顔面けいれんでは目が開けられず物が見えにくい、けいれんが目立つために人前に出られないなどの症状があります。ボトックスは神経を麻痺させる薬剤で、けいれんを起こしている筋肉に注射することでけいれんを止めます。
適切な量を注射すると、通常の運動機能を障害することなく、けいれんだけを止めることができます。ただ、効果は一時的で、3~4か月に1回の治療が必要です。
このボトックス治療は腋窩多汗症にも効果があるため、重症の腋窩多汗症に対しては保険が適用されるようになりました。
治療は腋窩部の皮膚にボトックスを直接注射します。交感神経から汗腺へ汗を分泌させる刺激伝達を、ボトックスがブロックすることで発汗が抑制されるという原理です。
ボトックスの効果は一時的なものですが、1回注射すると効果は4~9か月間継続します。ただし、汗の分泌を抑えるだけですので、臭いが消えるわけではありません。
[疾患に関する詳しい情報はこちら]
- 日本形成外科学会
形成外科で扱う疾患 https://jsprs.or.jp/general/disease/ - 日本創傷外科学会
キズの種類や治療法 https://www.jsswc.or.jp/general/index.html - 日本頭蓋頸顔面学会
頭蓋顎顔面外科が扱う代表的な病気 https://www.jscmfs.org/general/ - 日本手外科学会
代表的な手外科疾患(手外科シリーズ) http://www.jssh.or.jp/ippan/sikkan/index.html
医療機関の認定
- 日本形成外科学会認定施設
- 日本手外科学会認定研修施設
- 日本熱傷学会熱傷専門医認定研修施設
- 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会 インプラント実施施設
- 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会 エキスパンダー実施施設