呼吸器外科
診療科の紹介
呼吸器外科は2019年4月に新設された診療科です。2018年7月に森医師が熊本大学 呼吸器外科(前准教授)から当院に着任し、診療を行っています。当科では以下の技術を組み合わせ、お一人お一人に適した治療法を提案いたします。
低侵襲手術
胸腔鏡(カメラ)手術の方法は日々進歩しています。従来、胸腔鏡手術には3か所の創が必要でしたが、当科では、患者さんの負担がより少なくすむよう、一部の疾患に対し、1か所の創で手術を行う単孔式手術を導入しています。また、肺がんおよび縦隔腫瘍に対し、ロボット手術も選択可能です。
拡大手術
進行がんに対しては、他の臓器も合併切除する必要(例えば大血管の切除再建)が生じます。当院には心臓血管外科、消化器外科、耳鼻いんこう科、整形外科などがそろっており、さまざまな手術に対応可能です。
気管支鏡
当院では超音波内視鏡を導入し、呼吸器内科とともに診断・治療を行っています。気管支鏡に関しては呼吸器内科にお問い合わせください。
チーム医療
がん治療においては集学的治療(いろいろな専門家が集まって治療を行う)がとても重要です。当院には呼吸器内科、血液・腫瘍内科、放射線科があり、抗がん剤や放射線治療も含めた集学的治療が選択可能です。
救急医療においても呼吸器外科が担う役割は大きく、適切なタイミングで治療に参加します。
主な疾患
肺がん
胸腔鏡手術(単孔式、ロボット手術を含む)から合併切除を伴う拡大手術まで対応可能です。お一人お一人の状況を検討し、適した治療を提案します。なお、当科の手術日に来院された場合は、呼吸器内科受診をご案内することがあります。
縦隔腫瘍
胸腔鏡手術(単孔式、ロボット手術を含む)から拡大手術まで対応可能です。一部の縦隔腫瘍では肋間神経を痛める可能性のない剣状突起下胸腔鏡手術を選択することができます。
転移性肺腫瘍
集学的治療の一部として、切除を行います。切除後の治療は、もともと治療していた診療科で行います。
胸膜中皮腫
胸腔鏡診断や胸膜肺全摘などの手術療法を担当します。
感染性胸部疾患
肺化膿症、肺真菌症、膿胸(胸の中に膿が貯まった状態)、縦隔炎などの外科治療を担当します。多くは胸腔鏡手術で対応可能ですが、開胸手術が必要な場合もあります。
気胸
肋骨と肺の間に空気が貯まる病気です。原因、状況に応じて、治療法が異なります。
治療法として、安静、脱気(空気を胸の中から注射器で吸い出す)、ドレナージ(チューブを胸の中に入れて空気を吸い出す)、癒着術(胸の中に薬を入れて肋骨と肺をくっつける)、EWS(気管支鏡で原因の気管支に詰め物を入れ、気胸を改善させる方法、当院でも施行可能です)、手術などがあります。
若い方で、明らかな原因がなく気胸を繰り返す場合やドレナージを行っても改善しない場合は胸腔鏡手術が適応となります。
気胸になる原因があり、手術が有効と判断した場合も手術を行います。
医療機関の認定
- 日本外科学会外科専門医制度修練施設
- 日本胸部外科学会修練施設
- 呼吸器外科専門医合同委員会認定呼吸器外科専門医制度関連施設
- 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医制度認定施設