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腎移植

腎不全とは

慢性腎臓病(CKD)は、3ヶ月以上持続する尿異常(蛋白尿など)、腎機能が60%未満に低下した状態をいいます。慢性腎不全は腎機能が徐々に悪くなっている状態で、現在の医療では元の正常な状態に回復することは難しく、進行した場合以下の症状が出てきます。

働き腎不全時の症状
1 水分の調節 むくみ、高血圧、肺水腫など(肺や心臓に水がたまる)
2 酸、電解質の調整 アシドーシス、高カリウム血症→不整脈
3 老廃物の排泄尿毒症(食欲低下、吐き気、意識障害など)
4 造血ホルモンの産生 貧血
5 ビタミンDの活性化骨の量や質の低下

*日本腎臓学会、日本透析医学会、日本移植学会、日本臨床腎移植学会 「腎不全~治療とその実際~」より抜粋

腎機能が、おおよそ10%以下に低下すると、腎代替療法(透析、移植)が必要になりますので、30%以下の腎機能になったら今後の治療方針について考えておく必要があります。

移植と透析

末期腎不全に至ると、代わりに腎臓の働きをしてくれる治療が必要になります。一つが透析、もう一つが移植です。 透析には、血液透析と腹膜透析があります。基本的には、体内にたまった水分や老廃物を定期的に除去する治療ですが、完全に腎臓のかわりはできません。
一方、移植は、新しい腎臓をもらうことになるので、失われた腎機能を取り戻すことができます。

透析と移植の比較
 血液透析腹膜透析移植
腎機能 悪いまま(腎機能の一部のみしか補えない)   かなり正常に近い
必要な薬剤 貧血や高血圧など慢性腎不全に伴う合併症に対する薬剤   免疫抑制剤とその副作用に対する薬剤
生命予後 移植に比べ悪い   優れている
心筋梗塞、心不全、脳梗塞の合併 多い   透析に比べ少ない
生活の質 移植に比べ悪い   優れている
生命生活の制約 多い(週3回、1回4-5時間の通院治療) やや多い(透析液交換やセットアップの時間)   ほとんど無い
社会復帰率 低い   高い
食事・飲水の制限 多い   少ない
感染の注意 必要   重要
妊娠・出産 困難   腎機能が良好なら可能

*日本腎臓学会、日本透析医学会、日本移植学会、日本臨床腎移植学会「腎不全~治療とその実際~」より一部抜粋、改変

ほかにも、小児の成長や医療経済の面などで、移植は透析より優れています。

腎臓移植とは

現在日本で透析を受けている患者さんは約31万人、腎移植を受けた人は、2013年で約1600人でした。日本で移植を受けているのは、末期腎不全患者さんの約5%ですがアメリカや隣の韓国では、約30%の人が移植を受けています。
移植は、健康な人から腎臓を提供してもらう生体腎移植と、脳死・心停止後に提供してもらう献腎移植があります。献腎移植は臓器提供が少ないため9割近くで生体腎移植が行われているのが現状です。

腎移植の成績

免疫抑制剤や検査方法の発達により、移植の成績は以前と比べて格段に改善しています。生体腎移植の場合、平均生着期間(移植した腎臓が働いている期間)は15年を超えています。

図1 年代別生着率(生体腎)

図2 年代別生着率(献腎)


日本移植学会 ファクトブック2014より

最近の傾向

生体腎移植の場合は、血液型が違っても移植は可能です(血液型不適合移植)。最近は血液型不適合移植、夫婦間移植、糖尿病の方の移植、透析未導入での移植が増えてきています。

移植の条件

●レシピエント(移植を受けるひと)の条件

以下の場合は、移植ができない、あるいは移植前に治療が必要となります。

  1. 1.未治療、治療中、治療後間もない悪性腫瘍
  2. 2.慢性または活動性の感染症
  3. 3.性格や気質、精神疾患により自己管理ができない
  4. 4.手術に耐えられない合併症がある
  5. 5.ドナーとのクロスマッチ検査が陽性

●生体腎ドナーの条件

  1. 1.親族であること(両親、兄弟姉妹、子供など6親等以内の血族、または3親等以内の姻族)
  2. 2.自発的に腎臓の提供を申し出ていること(見返りのない善意の提供であること)
  3. 3.医学的に心身ともに健康であること(悪性腫瘍、感染症、糖尿病などの合併症がないこと、腎機能に問題がないことなどを確認します)
  4. 4.精神疾患がないこと
  5. 5.年齢は20歳以上、70歳くらいまで

ほかにも必要に応じて術前に詳しく調べます。

献腎移植

献腎移植の場合は、日本臓器移植ネットワークへの登録が必要です(リンク)。
腎臓の提供者が出た場合、登録されている方の血液型と白血球の血液型との適合度を調べ、適合度の高い人に腎臓が移植されます。

●レシピエント選択基準

○前提条件

  • ドナーと血液型が同じ
  • リンパ球クロスマッチ試験が陰性

○優先順位

  • ドナーが発生した地域と移植登録施設の所在地(搬送時間)
  • HLAの適合度
  • 待機日数
  • 16歳未満

優先順位は点数化されていて、合計点数が高い順にレシピエント候補として選ばれます。

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