熊本赤十字病院

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Radiation therapy department

高精度放射線治療が可能な装置2台で年間500名程度を治療しています。対象疾患は脳腫瘍(転移含む)、頭頚部腫瘍、食道癌、肺癌(転移含む)、膵臓癌、肝癌(転移含む)、直腸癌(術前化学放射線治療)、子宮癌、前立腺癌、膀胱癌、悪性リンパ腫、骨転移などほぼすべての癌です。通院での放射線治療も行っています。 原発性腫瘍に対してはほぼ全例でIMRTを行っており、良好な治療成績と副作用の軽減が得られています。 肺癌・肝癌や転移性腫瘍に対しては定位放射線治療を行っており4日で照射が終了します。 特に骨転移に対しては単回照射も行っています。
今年度には治療装置を更新し、複数脳転移の同時照射や照射時間の大幅な短縮が可能となる予定です。 早期の前立腺癌に対しては小線源治療(ブラキセラピー)も行っており良好な治療成績が得られています。

CONTACT問い合わせ先

院外の先生方にも高度医療機器を気軽にご利用頂くために、インターネットを使用してCT・MRI・RIなどが予約できるシステムも稼働しています。

内線:7130.7131
FAX:096-384-8815(直通)

主な疾患・治療法

01高精度放射線治療
転移性脳腫瘍に対する定位(ピンポイント)放射線治療 肺腫瘍・肝腫瘍(転移も可)に対する定位(ピンポイント)放射線治療 強度変調放射線治療(IMRT):部位問わず原発腫瘍全般に保険適応

いずれの高精度放射線治療も外来治療が可能です。また、前立腺がんに対しては、小線源治療(ブラキセラピー)を泌尿器科と連携して行っています。

02がん治療

放射線治療の種類

当院では、次の両方の治療を行っています。

外部照射
体の外から放射線をあてる
内部照射
体の外から放射線をあてる

放射線治療は、治療の目的や方法、副作用などもさまざまですので、実際にどのような放射線治療を行うかは、患者さんの状態などに応じて、担当医と放射線科医、診療放射線技師などが相談しながら判断します。

外部照射

現在がんの治療でもっとも多く使われている放射線治療が、外部照射です。
外部照射では、がんの病巣に対して、体の外から放射線を照射しますが、中でも高エネルギーのX線を照射する方法が最も多く行われています。
当院では、高度な外部照射といわれるIMRT(強度変調放射戦治療)、IGRT(画像誘導放射線治療)、定位放射線治療(脳・体幹部)を行っています。

01

IMRT(強度変調放射線治療)

IMRT(強度変調放射線治療)では、腫瘍に放射線を当てる際、様々な方向から放射線量を変化させながら照射することができます。
また、放射線の量を変化させることで、腫瘍の形が不整形で複雑な場合でもその周囲にある正常な組織への影響をおさえて腫瘍に高線量を照射でき、患者さんへの負担も少なくすみます。また、平成22年4月に健康保険の適用が拡大され、多くのがんに対する根治照射を保険診療で行うことができるようになりました。

02

IGRT(画像誘導放射線治療)

IGRTはIMRTや定位放射線治療などの高精度放射線治療をより正確な位置決めで行うための技術であり、より安全に治療を行うことができます。 当院では、IGRTを通常の照射にも利用して正確な治療を行っています。

03

定位放射線治療

放射線を多方向から集中させて一度に高い線量を照射し、正常な組織の被ばくを減らしながらより強力な放射線を照射する治療法です。1〜4回で治療が終了します。

当院では、1台で上記3種類の放射線装置と同等の治療ができる4次元CT画像撮影装置を搭載した最新式のCT一体型ライナック(エレクタ社Synergy®)を増加整備して外部照射装置2台体制で治療を行っています。特にCT一体型ライナックは、寝台に横たわったまま4次元CT画像を撮影できるため、従来のCTやライナック装置では難しかった軟部組織や病変の確認、また、呼吸による移動が把握でき、精度の高い放射線治療が可能です。
当院では、さまざまながんの他、がんの骨転移に対してもこの治療法を取り入れています。

内部照射(密封小源療法)

内部照射は、体の内側からがんやその周辺に放射線を当てる治療法です。
当院では前立腺がんの治療法として「密封小源療法(ブラキセラピー)」を実施しています。平成18年12月に県内で初めて開始して依頼、400件を超える患者さんに施工し(平成30年4月現在)、良好な治療成績を残しています。
治療効果は全摘手術と同等ですが、外科的手術に比べて低侵襲で、長期入院の必要がなく、手術より早く日常生活に復帰することができます