熊本赤十字病院

新型コロナウイルスに関するお知らせ

Pediatric Surgery

外科的な小児救急疾患はもちろん、内科的な小児救急疾患への対応も多いことが特徴です。また重度心身障がい児(者)の生活の質を上げるための手術も積極的に行っています。エコーを多く用いていることも特徴です。また、日本において小児外科は小児病院や大学病院に開設されていることが多く、熊本赤十字病院のような成人、小児を問わない救急病院に開設されているところは珍しいといえます。

「大人でも手術はイヤですよね」~こどもでも勝手に手術しない取り組み~

手術は体の負担になり、こども達のココロとカラダに大きな影響を及ぼします。小児外科ではできるだけ手術をせずに病気を治すことを目指します。しかし、どうしても手術が必要な病気もあります。手術が必要かどうか、こども達と話しあって決めたいと思っています。

「放射線はコワいもの」~当院には超音波の専門家がいます~

放射線は一定の確率でこどもたちのカラダに影響を与えることが知られています。私たちはできるだけこどもには放射線を使わずに診断を行っています。 たとえば、お腹の痛いこどもの診断にはCTを撮影されることが多いのですが、私たちは放射線を使わないエコーを選びます。どうしてもエコーで分からない時にCTを撮影しています。

「たくさんの目で診ます」~他診療科、多職種でのチーム医療~

多くの病院では1つの診療科だけで1人の患者さんを診療しますが、私たちはいくつかの診療科で1人のお子さんの治療にあたります。病気だけをみるのではなく、病気になったお子さんを診療することを目指しています。

「生活の不便をなんとかします」~障がいのあるこどもの医療~

様々な病気を持っているために、生活する上で不便があるお子さんがいます。たとえば、鼻からチューブを入れて栄養をとっているお子さんがいます。鼻に何かを入れて生活することは愉快ではないですよね。もし、そういうお子さんがいましたら、小児外科に相談ください。お子さんの状態に応じてもっと良い方法を一緒に考えましょう。

主な疾患・治療法

01そけいヘルニア

症状

足の付け根や陰嚢がふくれていたら考えます。オムツを替える時、またの付け根をよく見てみて下さい。 左右を比べて片方がふっくらしていたら「そけいヘルニア」かもしれません。手術が必要な赤ちゃんの病気でもっとも多いものです。自然とは治らず、時に命に関わることがあります。

検査

・エコー
・術前検査(胸部レントゲン、血液検査)
多くの病院では触診(触って診断すること)で診断していますが、私たちはカラダに負担がなく正確なエコーで診断します。正確に診断することで不要な手術を避けることができます。

治療

自然と治ることはほぼありませんが、年齢が上がるとふくれにくくなってきます。
しかし治った分けではありませんので、原則として手術が必要です。手術には全身麻酔が必要です。 足の付け根を切開する従来の方法(50年以上前から行われています)と腹腔鏡手術(10年前から広く行われています)があります。 熊本赤十字病院では腹腔鏡手術を行っており、入院は2~3日です。 メリットはお腹の中を観察することで正確に診断が確定できることと、小さな赤ちゃんでも大きなモニターで見ながら安全に手術ができることです。 年間の手術数は100~140件程度、手術時間は30~60分程度です。腹腔鏡手術のキズは臍(5~6mm)、左腹部(3mm)、足の付け根(針の痕のみ)の3か所です。

02停留精巣

症状

男の子のオムツを替えるときに陰嚢を見てみると精巣がなく陰嚢がしぼんでいる事があります。 左右で陰嚢の大きさが違う場合もこの病気の可能性があります。幼児の場合には入浴時に左右を比べて見ると違いがある場合があります。 適切な時期に手術を受けることが大切ですので、気になる場合はご相談ください。

検査

・エコー
・術前検査(レントゲン、血液検査)
この病気については、世界的に診断方法の進歩はなく、見た目や触った感じのみで診断されています。 私たちは世界的に新たな取り組みとして、エコーでの評価を行っています。従来の方法では見逃されている固定されていない精巣(真の移動精巣)も見つけ、将来の精巣捻転のリスクを回避する取り組みを行っています。

治療

停留精巣と移動精巣(固定不良)とで治療時期を変えています。停留精巣では、生後半年ごろに手術する施設もありますが、熊本赤十字病院では総合的に判断して1歳になった時に最終的に診断します。手術のキズは足の付け根と 陰嚢の2か所に必要なことが多いです。移動精巣(固定不良のみの場合)には5~6歳ごろまで定期的に外来で評価を繰り返してから手術が必要かどうか判断しています。手術のキズは陰嚢のみで済むことが多いです。

03急性虫垂炎

症状

従来知られているような簡単な病気ではありません。特別な症状がないため、現代でも診断が難しく、結果的に必要のない手術が行われること(negative appendectomy)が今でもあります。

検査

・エコー(条件によっては造影CT)
施設によって診断能力に大きな差があることも特徴で、こどもにとって理想的なエコー診断ができる施設は多くありません。そのため、必要の無いCT検査がこどもに行われることも多く、小児救急での問題の1つです。

治療

正確に診断できた場合、手術を避けられない方は半分程度に過ぎません。 また、こどもに慣れていない施設では、治療の選択肢も少ない傾向にあります。できるだけ将来に影響がない治療法を選択すべきですが、その判断は簡単ではありません。 手術をしなくても治ると判断した場合には、大人だけで決めるのではなく、お子さん本人と相談して手術するかどうかを決めるようにしています。軽症の場合には数日以内で退院できますが、重症の場合(破れてから時間が経っていた場合)には2週間程度の入院が必要になりますので、診断がとても重要な病気です。 当科で行っている腹腔鏡手術のキズは、臍、左右の腹部の3か所です。

実績

小児外傷(入院)
100

※このうち、半数程度は小児科など他科と共同で診療しています。

2019年の手術件数
223

※救急患者への対応を重視しているため、年間手術件数は250件程度としています。

主な手術
件数
腹腔鏡下 そけいヘルニア手術(LPEC)
66
精巣固定術
14
粘膜外幽門筋切開術(ラムステッド)手術
6
腹腔鏡下虫垂切除術
8
IVH挿入
13
新生児手術
2
腹腔鏡下噴門形成術
2
腹腔鏡下胃瘻造設術
2
喉頭気管分離術
8
エコー検査
1200件/年

※必要のない放射線被ばくを軽減するために、エコーを画像診断の第一選択としています。
年間約500件程度であった2011年と比べて、現在では1200件までに増加しています。

学術的な活動

学会での演題発表

日本小児外科学会 日本小児外科学会 日本小児外科学会 日本小児超音波研究会

小児エコーセミナーへの講師派遣