脳神経内科Neurology
脳梗塞を中心にけいれん、脳炎など神経系の救急疾患に地域の基幹病院として24時間体制で対応していることが熊本赤十字病院脳神経内科の特徴です。入院症例の8割が脳梗塞の患者さんです。実績参照。とくに急性期脳梗塞に対して閉塞血管をカテーテルを使って再開通させる脳血管内治療(血栓回収治療)に注力しており、国内でも有数の施行数です。脳血管内治療とt-PA治療を駆使することで、劇的な改善を示す患者さんも多くおられます。実績参照。近年、迅速で適切な治療適応決定のため、CT還流画像自動解析システム(RAPID)を導入しました。
また、当院の充実した救急センターとの連携は刻々と障害が進む脳細胞をすこしでも早く救済するうえで大きな強みです。
脳神経外科と共同で脳卒中センターおよび脳血管内治療センターとして活動し、隣接したリハビリ室を伴う脳卒中集中ケアユニット(SCU)を15床で運用し、超急性期から他職種共同で積極的に治療をしております。
急性期治療が一区切りした後は、地域連携パスを活用し、地域のリハビリ施設、開業医の先生がたと円滑に連携し、治療やリハビリが切れ目なく継続できるように努めております。
このほかにも、慢性頭痛、てんかん、変性疾患、神経難病、認知症の初期対応にも外来を中心に対応しております。
主な疾患・治療法
脳梗塞は脳血管が閉塞し血流が途絶えて脳細胞が壊れてしまう病気です。片麻痺や失語の後遺症を残します。重症では死亡することもあります。発症早期にt−PA治療や脳血管内治療で閉塞した血管を再開通させることで症状を改善させることができます。熊本赤十字病院は脳血管内治療の施行件数と成績では全国有数の施設です。適応がある症例には全例施行ができるように準備をしています。急性期の不安定な状態を脳卒中集中治療病棟(SCU)、脳卒中専門病棟(脳卒中センター)で手厚いケアをしています。脳神経外科との共通病棟、手術適応のある場合は速やかに連携します。早期離床、早期リハビリをして、安定後は地域の他病院、クリニックと途切れ目のない連携をすることで患者さんの早期の社会復帰を目指しています。
症状
Caution
このような症状が出たら迷わずに、即、救急車(119)を呼んでください!!!
検査
CT、MRI、脳血管造影、超音波検査(心臓、頸部、頭部)、心電図、脳血管造影、脳血流シンチ
治療
t-pA静注療法、脳血管内治療(血栓回収、血管形成、ステント)、抗血栓薬・水分・栄養など全身管理、リハビリ、合併症対策
症状
- 脳炎
- 意識障害、けいれん、異常行動
- 髄膜炎
- 発熱、頭痛、悪心嘔吐
- 脊髄炎
- 両下肢の脱力、感覚障害
- ギランバレー
症候群 - 四肢の脱力、感覚障害
検査
CT、MRI、髄液検査、脳波、脳血流シンチ
治療
全身管理、抗生剤、抗ウィルス薬、ステロイド、免疫抑制剤、血漿交換治療、免疫グロブリン療法、リハビリなど
症状
検査
MRI、脳波
治療
鎮静薬、抗てんかん薬、生活支援
症状
検査
CT、MRI、髄液検査
治療
日常生活の注意、種々の頭痛予防薬、CGRP関連抗体薬、トリプタン製剤、ジタン製剤、適正な鎮痛剤の指導
不適切な鎮痛剤の使用で症状を悪くしてしまっている患者さんが多くみられます(薬物乱用頭痛)。
症状
検査
CT、MRI、RI(脳血流シンチ、心臓シンチ)
治療
種々の抗パーキンソン薬、リハビリ
症状
これらの症状で日常生活に支障をきたしている。
検査
CT、MRI、脳血流シンチ、脳波検査、認知検査、血液・髄液検査
治療
抗認知症薬などの内服、日常生活の注意、生活支援、高血圧の管理、運動・栄養管理、ユマニチュード(コミュニケーション技術)の活用。
かかりつけ医、精神科医との連携
症状
検査
CT、MRI、血液・髄液検査
治療
ステロイド、血漿交換治療、インターフェロン、フィンゴリモド、モノクロナル抗体製剤等
治療
大学、他病院との連携、生活支援