熊本赤十字病院

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Orthopaedics

スタッフ8名が日本整形外科専門医です。 救急外傷には24時間体制で待機し対応しています。 近年では高エネルギー外傷(高所からの転落、高速度での交通事故)に伴う多発部位外傷(四肢、脊椎及び骨盤骨折など)を扱う頻度が急増しています。 これら重度外傷の治療に対しては、外傷外科医や形成外科医と連携して集学的治療の後、四肢及び関節機能再建を図っています。 また切断肢(指)再接着センターも開設しており、手の外傷全般にわたり診療を行っています。 高齢化社会を反映した大腿骨周辺骨折及び人工関節周辺骨折も増加しており、これらに対しては準救急扱いで手術を行い、術後は最寄りの連携医療機関でリハビリを行っています。 保存的治療を要する症例や術後亜急性期以後の患者さんには地域医療連携の会を中心とした病病、病診連携のもとに他の施設にての治療継続をお願いしています。

主な疾患・治療法

高エネルギー外傷に伴う脊椎損傷、骨盤骨折、多発外傷など「生命に危険のある損傷」の整形外科救急治療と加齢変化に伴う慢性運動器疾患の治療(脊椎・脊髄疾患の外科治療、膝関節や股関節の外科治療)を多く行っています。
また小児整形、スポーツ医学に力を注ぎ、早期社会復帰を目指し適応症例には積極的に手術治療を行っています。

01運動器変性疾患
症状に応じて骨切り術や人工関節置換術などを行っています。
02関節リウマチ
膠原病リウマチ内科と連携して、最新の知見に基づき、最先端の薬物治療や手術的治療を行っています。
03骨転移による病的骨折
がん診療連携拠点病院である当院では、整形外科医が骨転移に対して介入を行い、病的骨折や骨折が切迫している四肢の骨転移に対して手術治療を行っています。また、骨転移がある状態であっても骨折のリスク評価を行った後に、リハビリテーションを積極的に行っています。
04骨・軟部腫瘍
日本整形外科学会骨・軟部腫瘍診断治療コーナーを熊本県下で唯一開設している熊本大学整形外科に紹介します。

小児整形外科

小児整形専門外来を毎週金曜日に開設(2019年4月より火曜日午後も増設)しており、主に先天性股関節脱臼や内反足をはじめとする疾患について診療を行っています。

スポーツ整形外科

整形外科では日本スポーツ協会公認スポーツドクターが、スポーツによる外傷・障害に対して積極的に治療を行っています。レクレーションレベルからトップアスリートまで幅広く対応し、もちろんスポーツ選手でなくとも受診可能です。スポーツ外傷・障害の多くは保存療法(手術以外の治療法:例えばリハビリテーション、投薬、注射、装具療法など)が行われますが、病態によっては手術治療が望ましい場合もあり、私たちはできる限り最新の知識や技術を導入し、個々の状況に応じた最善の治療に努めています。

01前十字靭帯損傷

症状

膝関節において重要な靭帯の一つであり、膝関節の安定性を保つための大きな役割を担っています。ジャンプの着地 や急な方向転換など膝が内側に入ることにより生じることが多いです。前十字靭帯が機能しない膝が生じると、膝の 脱臼感や膝くずれを感じることが多く、スポーツ活動に大きな支障を来し、早期に変形性関節症になることがあり ます。

治療

スポーツ活動の継続を希望する方、日常生活に支障がある方でリハビリテーションに意欲的な方に対しては、手術療法を勧めています。手術方法は、主に2通りの方法を使い分け行っています。

01
解剖学的二重束再建術: 本来の前十字靭帯の走行、付着部を再現できるように解剖学的二重束再建術を行っています。ハムストリングス (太もも裏の自家腱)を移植材料として使用する方法です。
02
BTB法: ハムストリングス採取による膝を曲げる力が低下し今後のスポーツ活動に支障を来す種目やコンタクトスポーツなどの選手に対しては、骨片付き膝蓋腱を用いた方法(いわゆるBTB法)で行っています。
入院期間は約2週間で、独歩あるいは松葉杖での退院となります。その後は外来リハビリテーションを行います。
スポーツ復帰までの目安はおおよそ6~10ヶ月です。
02半月板損傷
半月板は荷重伝達や衝撃緩衝、関節安定等に寄与している重要な器官であり、半月板損傷を認めた場合はできるだけ 温存することが望ましいと考えています。半月板損傷の形態には様々な形がありますが、関節鏡での鏡視により縫合 可能と判断した場合には積極的に縫合を行います。また、半月板縫合の成績を向上させるため、自己血(術中に採血) から作成したfibrin-clotを断裂部に縫合固定しています。
入院期間は縫合の有無によって異なります。切除のみの場合は術後数日程度で退院が可能です。縫合した場合は 約2週間の免荷期間を設けますので、入院期間は部分荷重を開始するまで最低1週間としています。スポーツ復帰に ついては個々の症例やスポーツ種目で異なりますが、半月板縫合を行った場合はおおよそ5ヵ月以降のことが多く なっています。
03アキレス腱断裂(陳旧性断裂、再断裂)
手術療法をお勧めしています。特にスポーツ活動を行う方に対しては、筋力低下、再断裂のリスクをできるだけ 避けるためにも手術療法が望ましいと考えています。新鮮アキレス腱断裂に対する手術方法は、Half-mini-bunnell法(内山法)を用いてより強固な固定を行います。
術後のリハビリの目安は以下の通りとなります。
4〜5日間のギプス固定 5〜6日目にヒール付き歩行ギプスへと巻き直しを行い歩行訓練。退院。 12〜14日目に外来にてアキレス腱専用の装具に変更。 装具は約8週間装着。 約10週でジョギング(その場ジョギング)を開始。 徐々にリハビリテーションをステップアップし、約5ヶ月でスポーツ復帰を目指します。
04足関節捻挫(靭帯損傷)
新鮮な足関節外側側副靱帯損傷に対しては保存療法を行います。痛み・不安定性に応じてギプス固定を行うことが あります。その後、安定性が得られなかった場合は詳細に評価を行い靱帯再建術を行うことを考慮します。
05ジョーンズ骨折(第5中足骨疲労骨折)
主にサッカー選手に生じることが多いことで知られていますが、どの競技にでも起こり得ます。早期の競技復帰を 目指す場合は手術療法を勧めています。固定にはスクリューを用い、1週間ほどの入院が必要となります。

関節鏡手術

スポーツ外傷・障害に対しては、傷が小さく、ダメージを与える範囲がなるべく小さいほうが早期のスポーツ・職場復帰に有利であるため、関節鏡と呼ばれる直径4㎜ほどのカメラおよび特殊な器具を使用して手術を行うことが多くなっています。

自家培養軟骨移植

外からの激しい衝撃により膝の一部が欠けてしまったり、骨とともに剥がれてしまった場合に、患者さん自身の細胞から自家培養軟骨を作り、再び軟骨が欠けた部分に移植する「自家培養軟骨移植」を行っています。自家培養軟骨は、患者さん自身の細胞を使用するため、拒絶反応がきわめて少なく少しの軟骨から細胞を増やすことができるため、広範囲の場合でも治療が可能です。最終的に培養軟骨を病巣に移植することで修復が期待されます。

「自家培養軟骨移植」治療スケジュール

自家培養軟骨移植術

  • 01

    軟骨の一部を採取します。

  • 02

    アテロコラーゲン(コラーゲンの一種)と混ぜて培養し、 自家培養軟骨を作成します。

  • 03

    移植した培養軟骨が外れないよう、脛骨から取った骨膜で ふたをします。

実績

実績

入院
2019年 入院患者延数:10,337人(うち救急経由 延数5,628人、実数390人)
外来
2019年 外来患者延数:19,188人(1日平均:80人)(うち救急 5,462人)
手術
2019年 手術件数内訳数:973件(うち救急 164件)
外傷
643
肩甲帯
79
上肢
171
骨盤
29
下肢
364
大腿骨頸部/
転子部骨折
104
その他
250
関節外科、スポーツ整形外科
155部位
肩関節
1
肘関節
1
股関節
72
膝関節
80
足関節
1
小児整形外科
110
股関節
6
腱延長
5
小児骨折
92
その他
7
手の外科
89
神経
12
骨・関節
26
腱損傷
51
脊椎外科
2
胸椎
1
腰椎
1
その他
39
切断・断端形成術
15
その他
24

手術部位(1,038部位)2019年