リウマチ科Rheumatology
リウマチ・膠原病の多くはいまだ完治するということは難しく、病状が落ち着いた後も定期的に外来に通院していただく必要があります。さまざまな臓器に問題をかかえていたり、高血圧や糖尿病などの慢性疾患をお持ちの方も多いため、各診療科の医師や地域の先生方と協力しながら、患者さんに寄り添う診療を心がけています。
主な疾患・治療法
症状
初期症状は、風邪とよく似ていることがあります。
発熱が続く、全身がだるいなどなかなか風邪が治らないなと思われた場合、膠原病の可能性も考えられます。
検査
確定できる決定的な検査法はありません。問診、診察で膠原病が疑われる場合に、血液検査や尿検査、画像検査、組織生検などを追加し、総合的にどの病気かを確定します。これらの検査は診断が確定したあとも、治療の効果や薬の副作用の有無、病気の進行状態を調べるために、定期的に行います。
治療
免疫システムの異常によって様々な臓器に炎症が起こっています。軽傷の場合は抗炎症薬のみで対応できる場合もありますが、炎症が強い場合や重要な臓器にある場合には、ステロイドという薬を使って、炎症を抑え、暴走している免疫システムにブレーキをかけます。ブレーキをしっかりかけるために免疫抑制剤を併用することもあります。ステロイドは初期に十分量を投与して炎症を速やかにとるのが重要です。その後に減量して中止を目指します。ステロイドや免疫抑制剤にはそれぞれ副作用はありますが、予防や対策できるものもあり、注意していれば比較的安全に継続できます。
症状
全身の炎症性自己免疫疾患のひとつです。関節の滑膜の炎症が起こり、痛みや腫れが続き、進行すると骨や関節が変形して壊され、日常生活に支障がでてくる病気です。手や足の関節などに痛みや腫れが現れます。左右対象または複数個所の関節に症状が見られるのが特徴ですが、初期は片側だけに現れることもあります。
診断
早期に治療を開始することが重要で、そのためには正しい診断が必要です。しかし、その症状は他のリウマチ性疾患の症状と似通っているため、関節リウマチかどうかを診断することは簡単ではありません。当院では、専門の医師が問診、診察、血液検査などからなる関節リウマチ分類基準に従って診断を行っています。
治療
薬物療法、基礎療法、手術療法、リハビリ療法などが挙げられますが、基本はメトトレキサートをはじめとする抗リウマチ薬を用いた薬物療法です。しかし、抗リウマチ薬のみで症状が十分に改善しない時には、生物学的製剤を併用します。抗リウマチ薬と併せて使うことでより高い効果が得られます。生物学的製剤には、通院せず自宅で自己注射(皮下注射)を行う治療法もあります。熊本赤十字病院では、患者さんと相談しながら、リウマチ・膠原病内科医がリウマチを専門とする整形外科医と協力して患者さんに一番あった治療法を決定します。
- リウマチ性多発筋痛症
- 脊椎関節炎
- 強直性脊椎炎 乾癬性関節炎 反応性関節炎 腸炎関連脊椎関節炎
- 全身性エリテマトーデス
- 皮膚筋炎・多発性筋炎
- 全身性強皮症
- シェーグレン症候群
- 混合性結合組織病
- 血管炎症候群
- 高安病 巨細胞性動脈炎 結節性多発動脈炎 顕微鏡的多発血管炎 多発血管炎性肉芽腫(ウェジェナー肉芽腫) 好酸球性多発血管炎性肉芽腫(チャーグ・ストラウス) IgA血管炎など
- 成人スティル病
- ベーチェット病
- 再発性多発軟骨炎
- サルコイドーシス
- IgG4関連疾患