熊本赤十字病院

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Cerebrovascular treatment center

熊本赤十字病院では、「脳卒中センター」を開設し積極的に脳卒中治療に取り組んでいます。また、SCU(Stroke Care Unit)を設置し、脳卒中患者さんの急性期治療からリハビリテーションまでの治療を集中的に行っています。
そして2020年11月に「脳血管治療内センター」を開設しました。以前から脳神経内科と脳神経外科合同で脳血管内治療を行ってきました。特に脳神経内科を中心に行われている急性期脳梗塞に対する血栓回収療法は、全国でも有数の症例数、治療成績を誇っています。現在4名の脳血管愛治療専門医が在籍しています。そうした治療実績、スタッフの充実を最大限にいかして、今後さらなる向上を目指していきたいと思います。
さらに、将来的には国の「健康寿命の延伸などを図る為の脳卒中、心臓病その他循環器病に係る対策に関する基本法」に基づく「包括的脳卒中センター」の取得を目標としています。

t-PAモードから急性期血管内治療

「365日・24時間対応」がモットーです。超急性期の脳梗塞の治療では閉塞した血管を再開通させること(血行再建療法)が最も重要です。
経静脈的血栓溶解療法(IV t-PA)の適応のある患者さんにもれなく施行できるように救急科と協力し、患者さん到着前から病院をあげての専用診療態勢(t-PAモード)で対応しています。スタッフの対応も慣れ、熊本赤十字病院でも日常の治療として定着しています。
適応のある患者さんにはもれなく適切にIV t-PAを施行することも大切ですが、それと同様に、適応のない患者さんには発症後4.5時間以内にきちんと診断し、そうであることを説明し、さらに他の治療を開始することも重要であると考えています。ドクターヘリの導入、総合救命救急センターの拡張に伴い、脳卒中の受け入れ体制はますます充実しつつあります。
今後も、脳卒中の集中治療管理、急性期リハビリ、脳卒中専門看護師の育成、摂食・栄養管理など、さらなるレベルアップに努めます。

脳血管内治療(手術)とは

脳の病気に対して皮膚を切ったり、頭蓋骨を開けたりすることなく、血管の中から病変部に到達する手術法です。もともと脳血管造影という、脳の血管をカテーテルと造影剤を使って撮影する検査から発展しました。足の付け根や腕の血管から、カテーテルを挿入し、大動脈を通じて脳動脈まで進めることができます。
手術の際は、カテーテルの中にさらに細いカテーテルを入れ、病変部位(首や頭の中の血管)まで進めていき、さまざまな道具を用いて病気を治療します。

対象の疾患

脳や首の血管の異常、病気が対象になります。主に出血性疾患(塞栓療法)と虚血性疾患(血栓回収療法、血管形成術)とに分類されます。出血性疾患は脳動脈瘤(破裂・未破裂)、脳動静脈奇形、硬膜動静脈奇形などが挙げられます。コイルや塞栓物質を用いて治療します。
一方、虚血性疾患は脳梗塞超急性期、頭蓋内動脈狭窄、頸動脈狭窄症などです。血栓により閉塞した脳動脈から血栓を回収し再開通させます。また狭窄性病変ではバルーンで拡張したり、ステントを留置し、病変部を拡張させます。
近年、手術に使われるカテーテル・コイルなどの道具は目覚ましい進化を遂げており、対象疾患が拡大していく傾向にあります。

治療法の利点

一般的な開頭術による外科手術に比べ、患者さんに加わる侵襲が極端に少ないこと、開頭手術での治療が困難な脳の中心部分でも、周辺の脳への影響を与えずに到達が可能であること、総じて入院期間が短いことなどです。
また全身麻酔で行われることも多いですが、局所麻酔でも可能であり、麻酔をかけることが危険な高齢者や、心臓や肺の悪い人などには非常に有用な方法です。

実績

急性期脳梗塞に対する機械的血栓除去術は、2019年度には130例行い、日本でも有数の治療件数となりました。

rt-PA治療
95件/年
機械的血栓除去術(脳血管内治療)
130件/年

熊本県内の脳卒中センターと連携し、熊本県全ての地域の患者さんが脳血管治療を受けられる体制を目指した、熊本県血栓回収療法地域格差解消プロジェクト(kumamoto Eliminating Regional Thrombectomy disparity:K-EARTH)にも参加しています。
内頚動脈狭窄症に対する頸動脈ステント留置術なども積極的に行っています。