熊本赤十字病院

Clinical_Lesearch

成人の搬送体制と医療資源を共有することで構築した地方PICUの病院間搬送

  • 承認日 | 2023.11.1
受付番号
589
研究課題名
成人の搬送体制と医療資源を共有することで構築した地方PICUの病院間搬送
当院研究責任者
小児科 余湖直紀
研究分担診療科
小児科
研究機関名
熊本赤十字病院
研究期間
2023年11月1日~ 2025年3月31日
研究目的と意義
小児重症患者の発生頻度は少ない。予後改善には集約化による症例の集積が必要といわれており、国内外で報告されている。しかし、現実には医療資源に限りがあり、集約化に必要な搬送体制の構築は容易ではない。また、地域ごとに医療体制が異なり、病院間搬送の方法は様々である。当院は小児に特化した搬送ではなく、成人に用いる医療資源を共有し病院間搬送を行っている。本研究では、成人の搬送体制と限られた医療資源を共有することで構築した小児集中治療病棟(以下、「PICU」と称する)の小児搬送体制の課題を抽出することを目的とする。これにより医療的背景が共通した地域での小児搬送体制の構築や問題点の共有につながることが期待される。
研究方法
●対象となる患者
病院間搬送でPICUに直接入室した15歳以下の患者
【除外基準】
16歳以上、または病院間搬送の記録が確認できない症例は除外とする。

●方法
観察研究、単施設研究、目標症例数:300-400例
本研究は、通常の診療の中で得られた情報を診療録から後方視的に収集して行う観察研究とする。そのため、診療に対する制限や規則含め症例に対する介入は行われない。
成人の搬送体制と医療資源を共有した小児搬送体制の現状を明らかにすると同時に課題を抽出する。

●利用するカルテ情報
通常の診療において実施された、観察・検査・治療に関わる以下の項目を診療録から抽出するものとする。
・研究対象者の背景
年齢、月齢、性別、体重、処置の有無および内容、重症度(PIM2:Pediatric Index of Mortality)、診断名
・病院間搬送に関わる情報
人員、方法、搬送元医療機関、搬送時間帯(日勤帯(8:30~17:05)、夜勤帯(17:05~8:30))、搬送距離(Google MAPを用いて算出)
・治療・転帰
治療:手術、人工呼吸管理・薬剤、PICU入室期間、入院期間、転帰

●他機関へ提供する方法
提供なし