熊本赤十字病院

Clinical_Lesearch

補助循環関連の合併症に関与する要因分析

  • 承認日 | 2020.04.3
受付番号
396-3
研究課題名
補助循環関連の合併症に関与する要因分析
当院研究責任者
臨床工学部 臨床工学技士 岡留由祐
研究分担診療科
臨床工学部
研究機関名
熊本赤十字病院
研究期間
2020年4月3日 ~ 2030年3月31日
研究目的と意義
心停止患者や心拍出量が低下している患者、自己肺でのガス交換能力が低下している患者の循環・呼吸維持のため補助循環装置(ECMO:extra-corporealmembrane oxygenation)が用いられます。補助循環管理下では血流も複雑になり、人工肺で酸素化を行っています。また人工物にさらされるため凝血予防のためヘパリンの持続投与を行われ、人体は非生理的環境にさらされています。管理日数も数日から数週間と長期間であるため、体内で炎症反応物質や活性酸素種が発生、出血、感染など様々な弊害を引き起こすことが知られています。今回の研究で補助循環における合併症の関連、補助循環離脱との要因を調べることが目的です。この度、熊本赤十字病院で後ろ向きコホート研究を行う予定です。本研究から得られた成果は、補助循環装置装着患者の合併症予防に役立てられます。
研究方法
●対象となる方
熊本赤十字病院で補助循環治療を受けた成人の患者さん

●方法
熊本赤十字病院の電子カルテ情報を用いた後ろ向きコホート研究

●利用するカルテ情報
熊本赤十字病院の診療録から、以下の診療情報を収集します。
導入時の年齢(歳)、性別、肥満度指数(BMI:Body Mass Index)、生活習慣、既往歴、機械的補助循環(MCS: Mechanical Circulatory Support)の有無、生化学検査結果、エコー検査結果、ICU入室日数、入院日数。
補助循環時間、ECMO導入までの時間、ECMO中最低温度、ECMO 中尿量、ECMO中の灌流量、ECMO中灌流係数、ECMO中収縮期血圧、ECMO中拡張期血圧、ECMO中血小板数、ECMO中最低静脈血酸素飽和度、ECMO中出血量、ECMO導入時の回路血のpH、酸素飽和度(SaO2)、酸素分圧(PaO2)、二酸化炭素分圧(PaCO2)、Base、Hb、血糖値(Glu)、乳酸値、カルシウム。
本研究では、通常診療で行われる診療記録・検査データを使用します。研究のために追加で検査することはありません。

●他機関へ提供する方法
研究に関する個人情報は熊本赤十字病院で個人が特定できないよう加工された後、共同研究機関である熊本大学へ移送され、熊本大学内では パスワード付きUSBメモリ内で管理されます。またデータにはパスワードを設定し、研究者以外のアクセスを制限することにより情報漏洩防止に努めます。患者名、住所情報および対応表(患者氏名・年齢・病院IDおよび研究IDのみ 記載し、その他個人を識別可能な情報は削除)は熊本赤十字病院が管理します。