熊本赤十字病院

Clinical_Lesearch

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)以外のグラム陽性菌菌血症におけるバンコマイシンの血中濃度曲線下面積(AUC)と治療効果の関連性評価

  • 承認日 | 2024.8.30
受付番号
633
研究課題名
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)以外のグラム陽性菌菌血症におけるバンコマイシンの血中濃度曲線下面積(AUC)と治療効果の関連性評価
当院研究責任者
薬剤部 薬剤師 水田 夕稀
研究分担診療科
薬剤部
研究機関名
熊本赤十字病院 薬剤部
研究期間
2024年8月30日 ~ 2024年10月31日
研究目的と意義
MRSA感染症治療におけるバンコマイシン(以下VCM)は、AUC※1/MIC※2≧400が有効性の指標とされているが、MRSA以外のグラム陽性菌感染症の治療にも適応できるか不明であり、有効な治療域の指標が希求されます。そこで本研究では、MRSA以外のグラム陽性菌(Enterococcus faecium(以下E. faecium)、Corynebacterium属菌、Bacillus cereus(以下B. cereus))による菌血症において、VCMのAUCと治療効果の関連性を評価します。
※1 AUC(血中濃度曲線下面積:体内に取り込まれた薬の量を示す指標)
※2 MIC(最小発育阻止濃度:抗生剤が試験菌の発育を阻止する最小の濃度、抗菌力の指標)
研究方法
●対象となる方
2019年4月から2024年3月の期間に熊本赤十字病院において、E. faecium、Corynebacterium属、B. cereusによる菌血症もしくは菌血症疑いと診断された患者さんのうち、VCMが3日以上投与され、血中濃度が測定された18歳以上の非透析患者さん。

●方法
上記の条件にあてはまる患者さんを電子カルテより抽出する。治療期間中のVCM治療におけるAUCの値と、細菌学的および臨床学的効果判定を基に各菌種の菌血症において、VCMのAUCと治療効果の関連性を評価します。

●利用するカルテ情報
1 臨床所見(入院病名、年齢、性別、体重、既往歴)
2 生化学検査値(血清クレアチニン値(SCr)、クレアチニンクリアランス(CCr))
3 細菌学的検査所見(検出菌、VCMに対するMICの値)
4 治療(併用した抗菌薬、VCM治療中のAUCの値)
5 VCM治療に起因すると考えられる副作用症状

●他機関へ提供する方法
他機関への提供はありません。