熊本赤十字病院

Clinical_Lesearch

2本の腎動脈が存在する生体腎移植における血行再建法が移植腎予後に与える影響

  • 承認日 | 2024.8.30
受付番号
641
研究課題名
2本の腎動脈が存在する生体腎移植における血行再建法が移植腎予後に与える影響
当院研究責任者
第一外科 増井 亮太
研究分担診療科
外科
研究機関名
熊本赤十字病院
研究期間
2024年8月30日 ~ 2026年12月31日
研究目的と意義
移植腎が複数の腎動脈を有する症例は血行再建の技術を要するが、長期成績は単一動脈の症例と比較して遜色ないと報告されています。再建方法は血管の解剖学的特徴などにより複数のパターンに分けられますが、再建方法別の成績を比較検討した報告は少ないです。
我々は米国の単一施設の2本の腎動脈を有する生体腎移植において、吻合方法の違いによって移植腎の長期予後に統計学的に有意な差があることを示しましたが、さらに多施設で標本数を増やした研究が期待されます。
本研究では、当施設で行われた2本の腎動脈を有する生体腎移植の症例において、再建方法別に成績を検討することを目的とします。
当施設での結果と米国での先行研究の結果を比較検討することで、適切な再建方法につき示唆が得られると考えられます。
研究方法
●対象となる方
2011年1月から2024年4月までに当院で生体腎移植を受けた患者さん

●方法
上記の条件にあてはまる患者を研究対象者として登録し、初診時から最終確認日までの下記のカルテ情報を診療録より取得します。これらは全て日常診療で実施される項目であり、追加の検査等を必要としません。
収集した情報を基に2本の腎動脈を有する症例を吻合方法別に5つのグループ(①腎動脈の下極枝を主要腎動脈に端側吻合した群、②主要腎動脈は腸骨動脈と端側吻合し、下極枝は下腹壁動脈と端端吻合した群、③2つの腎動脈をそれぞれ腸骨動脈に端側吻合した群, ④2つの腎動脈を側側吻合した共通孔を腸骨動脈に端側吻合した群、⑤下極枝を切離し主要腎動脈のみ吻合した群)に分けて、単一動脈群を対照群として生着期間、生存期間、移植片機能遅延の有無、尿管関連合併症の有無を評価します。

●利用するカルテ情報
患者因子:年齢、性別、BMI、血液型、クレアチニンクリアランス値、透析期間、糖尿病性腎症の既往の有無
手術因子:吻合方法、手術日、手術時間、阻血時間
転帰:生着期間、生存期間、移植片機能遅延の有無、尿管関連合併症の有無

●他機関へ提供する方法
他機関への提供予定はありません。