熊本赤十字病院

Clinical_Lesearch

膵頭十二指腸切除後のドレーン排液から検出される薬剤耐性菌が術後短期成績に及ぼす影響

  • 承認日 | 2024.10.16
受付番号
646
研究課題名
膵頭十二指腸切除後のドレーン排液から検出される薬剤耐性菌が術後短期成績に及ぼす影響
当院研究責任者
肝胆膵外科 部長 木原康宏
研究分担診療科
外科
研究機関名
熊本赤十字病院
研究期間
2024年10月16日~2025年4月30日
研究目的と意義
膵頭十二指腸切除(PD)を行う際に腹腔内にドレーン(管)を留置することが多いのですが、そこから排出される液から薬剤耐性菌が検出されることがあります。本研究では検出される菌の中でも特に注意が必要とされるβラクタマーゼ産生グラム陰性桿菌に着目し、これが発生する様々な要因(患者さんの術前の状態など)を調べると共に、その菌が排出されることで手術後の経過に及ぼす影響を調査することを研究の目的としています。
研究方法
●対象となる方
2019年1月から2024年8月までの間に、当院で膵頭十二指腸切除術を受けた患者さん

●方法
手術後のドレーン管理中にその排液を細菌培養検査に提出し菌の有無を調べています。これはドレーンを抜いた後に腹腔内膿瘍を生じることがあり、その際の原因菌の推定と使用する抗菌剤の判断材料にするためです。その培養検査でβラクタマーゼ産生グラム陰性桿菌が検出された患者さんと、それ以外の菌が検出された患者さんの主に手術前の臨床情報を比較し、βラクタマーゼ産生グラム陰性桿菌が検出されやすい状態を調査します。
また手術後の経過で術後出血や入院日数の延長などの有害事象(合併症)の発生の頻度を、βラクタマーゼ産生グラム陰性桿菌が検出された患者さんとそれ以外の菌が検出された患者さんとで比較します。

●利用するカルテ情報
患者情報として年齢や性別、身長、体重、術前の糖尿病の有無。術前の情報として、手術に至った病気の種類、減黄(黄疸を改善させる処置)の有無、術前の胆管炎の有無。術前の血液検査の項目として、赤血球数、白血球数・分画、AST、ALT、総蛋白、アルブミン、総ビリルビン、CRP、HbA1c。
手術の情報として、出血量、手術時間、手術時に採取する胆汁培養の結果。手術後の情報として、腹腔内ドレーンの排液の培養結果、術後の出血の有無、ドレーン留置期間、手術後の膵液漏の発生と重症度、術後在院日数。

●他機関へ提供する方法 
提供の予定はありません。