熊本赤十字病院

Clinical_Lesearch

急性上腸間膜動脈閉塞症に対する血管内治療が、短腸症候群の発症予防に寄与するかの検討

  • 承認日 | 2024.11.26
受付番号
656
研究課題名
急性上腸間膜動脈閉塞症に対する血管内治療が、短腸症候群の発症予防に寄与するかの検討
当院研究責任者
第一外科 増井 亮太
研究分担診療科
外科
研究機関名
熊本赤十字病院
研究期間
2024年11月26日~ 2026年12月31日
研究目的と意義
急性上腸間膜動脈閉塞症は高齢者に好発し、腸管切除が広範囲に及んだ場合には短腸症候群による生命予後とQOLの低下が問題となります。外科的治療がかつての主流でしたが、近年血管内治療による血行再建が台頭しており、当院でも本疾患に対して血管内治療を試みた上で手術を行う症例が増えています。本邦の最新のガイドラインでは手術と血管内治療のどちらも考慮することが推奨されていますが、さらなるエビデンスの蓄積が待たれています。これら背景を踏まえ、本研究では血管内治療の先行が短腸症候群の確保に寄与するかを統計学的に検証することを目的とします。高齢化に伴い本疾患は今後増加することが見込まれ、有効な治療方針を確立する上で本研究の意義は大きいと考えられます。
研究方法
●対象となる患者
2004年6月から2024年10月までに当院で急性上腸間膜動脈閉塞症と診断され、緊急で手術あるいは血管内治療、もしくはその両方を施行された患者さん。
ただし手術記録、血管内治療の処置記録がカルテ上で確認できない症例は除外します。

●方法
上記の条件にあてはまる患者を研究対象者として登録し、初診時から最終確認日までの下記のカルテ情報を診療録より取得します。これらは全て日常診療で実施される項目であり、追加の検査等を必要としません。下記のカルテ情報を基に対象症例を血管内治療のみ施行された症例、血管内治療を施行された後に手術を施行された症例、手術のみ施行された症例の3群に分け、死亡退院の有無、残存小腸長、短腸症候群の発症の有無を評価します。

●利用するカルテ情報
患者因子:年齢、性別、BMI、高血圧/糖尿病/脂質異常症/心房細動/慢性心不全/慢性腎臓病/維持透析の既往の有無、WBC、PLT、PT、 APTT、LDH、D-dimer、血液ガスの乳酸値、pH値、BE値、短腸症候群の発症の有無
手術因子:手術日、手術時間、血管内治療の処置時間、残存小腸長
転帰:入院期間、死亡退院の有無

●他機関へ提供する方法
他機関への提供予定はありません。