臨床研究に関する情報公開
- 研究課題名
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熊本県下の妊産婦・周産期死亡要因の検証会議[熊本M&M(Meternal death and Morbidity)カンファレンス]における症例検討会
- 当院研究責任者
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産婦人科 井手上 隆史
- 研究分担診療科
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産婦人科
- 研究機関名
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熊本大学大学院生命科学研究部
- 研究期間
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2021年10月14日~2024年3月31日
- 研究目的と意義
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熊本M&Mカンファレンスでは、困難な経過をとった、あるいは期待しなかった帰結を迎えた妊娠分娩症例の経過を検討し、得られた結果を産婦人科医師および周産期医療に関連する各種機関等へ還元することで、母児における有害事象低減の一助とする。本研究では、熊本M&Mカンファレンス事業のひとつとして、症例検討会を行う。
なお、当院は本研究へ症例提供のみを行う。
- 研究方法
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●対象
2021年1月以降に熊本県下の総合・地域周産期母子医療センター4施設(熊本大学病院、熊本市立熊本市民病院、愛育会福田病院、熊本赤十字病院)、および各2次医療圏の中核的病院において周産期管理を行った症例のうち、下記に該当し、かつ本会における検証ならびに啓発が必要と考えられた症例。
・妊産婦死亡例、あるいは妊産婦死亡が強く懸念された症例
・周産期死亡、あるいは周産期死亡が強く懸念された症例
・新生児低酸素症症例
・その他、検討会委員により症例検討会における検討が必要と判断した症例
・総合・地域周産期母子医療センター以外の施設から検討を依頼された症例で、研究責任者が検討に値すると判断した症例
●利用するカルテ情報
年齢、不妊治療の有無、妊娠・出産回数およびその内訳、入院理由、紹介の有無、喫煙歴、分娩週数、分娩方法、麻酔法、分娩誘導・促進の有無および方法、児心拍数モニタリング、産科合併症、産科既往歴、基礎疾患、感染症、使用した薬剤、母体転帰、処置内容、胎盤所見、出生体重、性別、アプガー値、臍帯動脈血液ガス分析値、新生児の児合併症、画像所見、児の転帰
●方法
症例検討会での検討が望ましいと考えられた症例を経験した各医療機関は、その旨を熊本大学大学院生命科学研究部産婦人科学講座内に設置された熊本M&Mカンファレンス事務局に連絡し、事務局が採否を判断する。各医療機関では、検討対象となった方の診療情報より匿名化された報告資料をパワーポイント等の電子媒体にて作成し、症例検討会で報告する。周産期医療の専門家によって組織された症例検討会では、各症例について後方視的検討を行い、期待しなかった帰結に至った場合はその機序を考察する。さらにその帰結を回避するために選択可能であった方策について検討する。
●他機関へ提供する方法
電子媒体で報告資料を作成し、症例検討会で報告する。