臨床研究に関する情報公開
- 受付番号
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523
- 研究課題名
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尿路閉塞を伴う結石性腎盂腎炎の起因菌とグラム染色・尿検査の有用性の検討
- 当院研究責任者
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総合内科 副部長 早野 聡史
- 研究機関名
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熊本赤十字病院
- 研究期間
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2022年11月9日〜2023年12月31日
- 研究目的と意義
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尿路閉塞を伴う結石性腎盂腎炎は、閉塞解除を行わないと肺血症性ショックに急速に至る場合があり、迅速に診断・治療が必要な疾患である。しかし、診断において、疼痛や発熱が先行し、通常の頻用・残尿感などの尿路感染症としての典型的な症状が出にくい場合がある。また、特に尿管が完全閉塞している場合には、グラム染色や尿検査の所見が偽陰性になる場合があり、早期診断が困難になる場合がある。
単純性尿路感染症におけるグラム染色の有用性に関してはすでに複数の論文での報告があるが、特に完全閉塞を伴う結石性腎盂腎炎における尿グラム染色の有用性・限界については、ほとんど報告がされていない。早期診断およびグラム染色の偽陰性に診断の遅れを避けるために、尿路閉塞を伴う結石性腎盂腎炎における検査特性を検討することは臨床的に重要である。
- 研究方法
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(1)研究デザイン:
単施設後ろ向きコホート研究
(2)研究対象者:
2011年1月1日から2021年12月31日までに尿管結石による結石性腎盂腎炎として入院治療を行った18歳以上の患者のうち、尿グラム染色・尿培養などで起因菌が同定された患者。
(3)除外基準:
・尿培養・尿グラム染色を提出されていない患者
・尿培養から起因菌が検出されていない患者
・他院入院後に抗菌薬治療を受けている患者、他院から転院してきた患者
(4)方法:
対象患者の電子カルテ情報より年齢・性別・身長・体重・再発・入退院日・死亡有無等を抽出しデータベースを作成する。データ解析にはSTATAを用い、主要評価項目におけるリスク因子について多変量解析を行う。