診療トピックス
無痛分娩をお選びいただけるようになりました
- 2025.10.29 | 産婦人科
無痛分娩は、麻酔を使うことでお産の痛みを和らげる分娩方法です。
当院においても、2025年5月から無痛分娩を開始しました。
当院の無痛分娩の方法
無痛分娩とは、鎮痛剤を使用して痛みを取り除きながら出産する方法です。お産の痛みを軽減できることで、落ち着いて出産することができ、体力の消耗を減らすことで産後の回復にも良い影響を与えてくれます。
ただし無痛分娩でも、痛みが完全になくなるわけではありません(和痛とも呼ばれています)。当院では、硬膜外麻酔を用いた無痛分娩を行います。麻酔がかかる範囲は、おなかから足の部分のみなので、意識ははっきりしており、出産直後に赤ちゃんを抱っこすることも可能です。
日本麻酔科学会麻酔専門医が麻酔を担当します。背中に針を刺し、脊髄(背中の中を通る太い神経)の周りの硬膜外腔という部分に、細いチューブを留置します。陣痛の程度や分娩の経過にあわせて、麻酔薬の量や濃度を調整し、出産までの痛みを和らげます。
計画無痛分娩
当院では無痛分娩の場合、安全を考慮し、陣痛促進剤を使用した計画分娩を行っています。そのため、無痛分娩ができる時間帯は以下のとおりです。
無痛分娩による計画出産の流れ
安全に無痛分娩を行うために、事前の検査(血液検査、レントゲン検査、心電図検査)が必要です。この準備は34週までに終了させておくことが望ましいため、無痛分娩を希望される場合は妊婦健診の際に担当産科医師または助産師にお伝えください。


無痛分娩のメリット・デメリット
メリット
・出産の痛みを軽減できます。
・痛みへの不安が軽減されリラックスして出産に臨むことができます。
・体力を温存できることで、出産後の回復を早め、早期に育児に取り組むことができます。
・落ち着いて呼吸ができるため、お腹の赤ちゃんのストレスの軽減にもつながります。
デメリット(リスク)
・陣痛の痛みが軽減されることで、いきむタイミングがわかりにくくなり、分娩時間が長くなることがあります。
・分娩時間が長くなると、吸引分娩となる可能性があります。
・麻酔の効果に個人差があります。痛みが充分にとれない場合もありますが適宜対応致します。
・麻酔による副作用や合併症が出ることがあります。
無痛分娩をお断りすることもございます
無痛分娩の準備を行っていた方でも、以下の場合には硬膜外麻酔は行うことができません。
・計画分娩予定日以外に陣痛が始まった場合(夜間・休日は対応していません。)
・麻酔穿刺困難の場合(麻酔時の姿勢保持が困難である場合や、脊椎の高度変形がある場合など)
・出血などによる低血圧、血液凝固異常(抗凝固薬使用中、検査値異常など)がある場合
・麻酔の針を刺す部位(背中、腰)が感染している場合、または全身性の感染がある場合
・神経変性疾患がある場合
・すでに陣痛が発来している場合で、麻酔のための姿勢保持が困難な場合
・その他 医師が不適正と判断した場合
また、緊急手術が発生した場合などは、安全のため麻酔導入を待っていただくことがあります。
費用について
通常分娩の費用にプラス50,000円で実施しております。
※分娩費用には個人差がございますので、詳しい金額は受診の際にスタッフまでお尋ねください。

