診療トピックス
手術支援ロボット「ダヴィンチ」

患者さんに優しいロボット手術「ダヴィンチ」導入
婦人科、外科領域をはじめ多くの外科系診療科で鏡視下手術に取り組み、近年では形成外科、脳神経外科でも鏡視下手術に取り組んでいます。また、手術の術式や適応疾患も広がっており、年間1,700件を超える鏡視下手術を行っています。
そして、2018年12月に鏡視下手術を支援するロボットである「ダヴィンチ」を導入しました。

ダヴィンチ手術はお腹や胸を大きく切開するのではなく、いくつか小さな穴を開け、鉗子やメス、内視鏡を挿入して行う体への
負担が少なく、患者さんに優しい低侵襲な鏡視下手術に、ロボット機能を付加してさらに精密な手術を可能にしたものです。
これまで、泌尿器科領域に限られていた保険適用が2018年4月に改定されたことを受け、当院でもダヴィンチ手術を導入しました。
患者さんへのメリット
傷口が小さい
患者さんの皮膚を切開する傷口は、これまでの鏡視下手術と同様で鉗子を挿入する幅約1㎝程度であり、数は最大6ヶ所です(術式によって異なります)。

手術中の出血量が少ない
開腹手術に比べて術中の出血が減少し、術中に輸血をすることが減るとされています。
機能の温存が向上
鉗子の動きが正確かつ細密で、鮮明な3D画像を見ながら手術を行い、術者の手ぶれも補正されるため、神経などの機能を温存させる手術が期待できます。

術後の疼痛が少なく、回復が早い
傷口が小さいため、術後の傷の痛みが少なく、回復も早い傾向にあります。
ダヴィンチの優れた機能
鮮明な3D(3次元)画像
コンソールモニターには高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像が映し出され、患者さんの体内を立体画像で見ることができます。

精密な動き
医師が3本のアームを自分の腕のように自由に操作できます。ロボットアームに装着されている鉗子はリスト構造を持ち、人間の手より大きな可動域と手ぶれ補正機能を備え、難しい角度からの視野の確保と繊細な手技が可能となります。

Q&A
ロボット支援手術を受けられるのはどのような疾患ですか?
当院では、以下の病気に対してロボット支援手術を導入しています。(2021年5月現在)
婦人科領域:子宮体がん、子宮筋腫
呼吸器領域:肺がん、縦隔腫瘍(良性・悪性)
消化器領域:直腸がん、胃がん
ロボットが手術するのですか?
手術はあくまで医師が行います。手術を担当する医師がサージョンコンソールと呼ばれる機械に座り、患者さんに触れずに遠隔操作によってダヴィンチを動かす形で手術を行います。無理な体勢や立ったままの長時間の手術など、医師の肉体的負担が軽減されるとともに、手ぶれ防止や突発的な動きを制御する機能によって、より確実な手術を行うことができます。
手術費用はどれくらいかかりますか?
健康保険の適用となる手術については、医療費の負担は従来の鏡視下手術とあまり変わりません。また、高額療養費制度を利用することで、負担を少なくすることが可能です。 入院・手術に関わる費用は年齢や年収、健康保険制度によって異なりますので、詳しくはスタッフにお問い合わせください。